マースク運航船 標的に。ミサイル攻撃、紅海の迂回加速か

デンマーク海運最大手のマースクが運航するコンテナ船が紅海航行中にミサイル攻撃の標的となった。米中央軍は15日、X(旧ツイッター)で同社が運航する「MAERSK GIBRALTAR」(1万100TEU型)がイエメンの親イラン武装組織フーシのミサイル攻撃対象となったと発表した。紅海を航行するコンテナ船が攻撃の標的となったことで、喜望峰経由への変更など航行を迂回(うかい)する動きが拡大しそうだ。

 フーシは9日にもイスラエル港湾に貨物を輸送する船舶を攻撃の標的に加えると宣言。船舶の航行リスクが高まっていた。

 こうした中、米軍の発表によると、14日正午ごろイエメンのフーシ支配地域から、紅海とアデン湾を隔てるバベルマンデブ海峡に向けて弾道ミサイルが発射された。

 同船は香港船籍。オマーンのサラーラからサウジアラビアのジッダに向けて航海していたとみられている。

 フーシはミサイル発射後も攻撃を続ける構えを見せたが、負傷者や船の損傷などは生じていないという。

 フーシの報道官は15日、X上で「イスラエルに向けて航行中の同コンテナ船に対する作戦を実行した」との声明を出した。

 中東情勢の悪化が続く中、コンテナ船社では安全を確保するため、紅海やアラビア海を迂回する動きも出ている。

 航海ルートについては状況に応じて判断しているようで、ある船社関係者は「イスラエルの港湾はオペレーションの遅れや受け入れ貨物制限はあるが稼働し続けている。紅海での航行をどうするかが目下の課題だ」と話す。

引用至《日本海事報》2023年12月18日 デイリー版1面
https://www.jmd.co.jp/article.php?no=292113

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