ベソン、サービスを有機的に結合。ライリー社長、買収戦略 推進

海運会社・用船者向け運航管理システム「IMOSプラットフォーム」を提供するベソン・ノーティカル(米ボストン)は16日、東京都内で海事メディア向けに会見を開いた。ショーン・ライリー社長兼COO(最高執行責任者)は、英ベッセルズ・バリューや英シップフィックスなど4社を買収したことに触れ、「各社の製品・サービスをIMOSに有機的に結び付け、ユーザーのデータに基づく意思決定を支援する」と語った。

会見にはライリー氏のほか、チーフプロダクトオフィサーのエリック・クリストファーソン氏、チーフコマーシャルオフィサーのラス・ハバード氏が出席。日本拠点の光田時雄氏、萩原芳廣氏も同席した。

ライリー氏は同社が開発・提供する運航管理システムについて、「年間1220億ドル、年60億トンの貨物取引をサポートしている」と説明。「海上商取引を推進する標準プラットフォームの提供を目指している」と同社のビジョンを紹介した。

同社の運航管理システムは、世界中の海運会社や荷主に広く利用されている。日本の主要な海運会社も導入している。ベソンは顧客ニーズに対応し、継続的に機能の拡充を図っている。

ベソンはサービスメニューのさらなる充実を図るため、ここ数年でベッセルズ・バリューやシップフィックス、ノルウェーのオーシャンボルト、米国のQ88の買収を決めた。

デジタル化や脱炭素化などを受け、海運業界は変革期にある。ハバード氏はオイルメジャーなどが船舶からのGHG(温室効果ガス)排出量を報告する仕組みの標準化を進めている事例を紹介し、「コラボレーションと標準化の重要性が増している」と指摘した。

EU―ETS(欧州連合の排出量取引制度)など新たな規制への対応に関して、クリストファーソン氏は「顧客とワーキンググループを設置し対応を検討している。ソリューションは開発後も使いながら改善を重ねる手法で対応している」と述べた。

 

引用至《日本海事報》2024年05月17日デイリー版1面

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