カナダ2大鉄道、労使交渉決裂により同時ロックアウトとストライキ開始

カナダの2大鉄道会社、カナダナショナル鉄道(CN)とカナダ太平洋カンザスシティ鉄道(CPKC)は、カナダ鉄道労働組合(TCRC)との労使交渉が決裂し、8月22日から同時にロックアウトとストライキを開始しました。これは、両社の労働者約9300人が新たな労働協約に合意できなかったためです。

カナダの主要な鉄道網の約80%を占めるこの2社のロックアウトは、北米の主要な供給チェーンを直撃し、特に米国とカナダ間のクロスボーダー貨物輸送に深刻な影響を与えます。両社は21日までに全ての貨物輸送を停止し、22日午前0時1分(東部標準時間)からロックアウトを開始しました。これにより、多くの貨物が事前に輸送停止となり、供給網が麻痺状態に陥っています。

特に、トロント、モントリオール、バンクーバーなどカナダの主要都市を結ぶ鉄道網が停止したことで、温哥華港やプリンスルパート港、モントリオール港などの主要貨物港が深刻な混雑や遅延を引き起こす可能性が高まっています。これにより、大量の貨物が港で滞留し、供給チェーン全体が混乱に陥る危険性があります。

カナダ労働相スティーブン・マッキノンは8月15日、CNが求めた強制仲裁を拒否し、双方に対し交渉の継続を促しましたが、交渉は平行線をたどり、打開策は見つかりませんでした。CNとCPKCは労使協約を巡って政府の介入を求めていましたが、マッキノン労働相はこれを却下し、問題の解決には至りませんでした。

この状況を受け、マースクとヘーパーグロイドなどの物流会社は最新の情報を提供し、顧客に供給チェーンの混乱への備えを呼びかけています。鉄道網の閉鎖が長引けば、貨物輸送に依存する産業やカナダと米国の一部地域に大きな影響が及ぶことが懸念されています。

CNとCPKCが同時にロックアウトを行うのは史上初めてであり、この労使紛争は今後の北米物流においても大きな影響を与えることが予想されます。

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