米国、中国・カナダ・メキシコに追加関税 国際貿易の緊張が高まる
【ワシントン発】米国のトランプ大統領は最近、中国、カナダ、メキシコに対して追加関税を課すことを発表した。この決定は国際社会の注目を集めている。米国政府は、この措置が違法薬物問題や国境の安全対策のためであると説明しているが、対象国は報復措置を準備しており、世界貿易の緊張が再び高まっている。
追加関税の詳細
米国政府の発表によると、新たな関税措置の内容は以下の通りである。
- 中国:すべての輸入品に対し 10% の関税を追加。
- カナダ・メキシコ:すべての輸入品に対し 25% の関税を追加。また、カナダからのエネルギー製品に対し 10% の追加関税を適用。
ホワイトハウスの関係者は、「これらの措置は、中国、カナダ、メキシコからの違法フェンタニル輸入を抑制し、米国内の生産供給網を強化するためのものだ」と説明している。
各国の反応 強い非難と報復措置
今回の米国の決定に対し、各国から強い反発の声が上がっている。
カナダのジャスティン・トルドー首相は、「この関税は不合理であり、経済に悪影響を及ぼす」と批判し、1,550億ドル 相当の米国製品に 25% の報復関税を課すことを発表した。
メキシコ政府も、「関税政策は二国間貿易と経済協力に悪影響を及ぼす」と警告し、自国企業への影響を最小限に抑えるための対策を取ると表明した。
中国政府も米国の決定を強く非難し、「米国は国際貿易ルールに違反している」と主張。さらに、世界貿易機関(WTO)への提訴を発表するとともに、米国の貿易政策に対抗するための報復関税措置を検討していることを明らかにした。
経済専門家の警告 世界市場への影響懸念
経済学者や貿易専門家は、今回の関税措置がグローバルなサプライチェーンに深刻な影響を与え、物価の上昇や市場の混乱を引き起こす可能性があると警告している。
また、一部の分析によると、「最終的に、米国企業や消費者がこの関税の負担を強いられることになる」と指摘されている。
現在、米国内の経済団体や国際機関は、ワシントンに対し政策の再考を求め、世界経済のさらなる悪化を防ぐよう呼びかけている。しかし、トランプ政権は今のところ関税措置を撤回する意向を示しておらず、貿易摩擦の激化が懸念されている。