イラン・シャヒードラジャイ港爆発事故、死者40人に 大統領「港の管理体制は容認できない」と徹底調査を指示

【2025年4月28日】
イラン南部ホルモズガン州の州知事によると、アッバース港(シャヒードラジャイ港)で発生した爆発事故により、これまでに40人が死亡、負傷者は1200人に上った。イラン政府は4月28日を全国哀悼の日と定めた。
同州当局によれば、現時点では爆発が国家安全保障関連の事案と結びついている兆候はないという。

また、イラン議会民事委員会の責任者は、爆発により1万個以上のコンテナが焼失した可能性があると述べた。
業界関係者は、同港の運営に支障が出れば、イラン経済および地域貿易網に深刻な影響を及ぼす恐れがあると指摘している。

イラン・イスラム共和国通信(IRNA)によると、イランのペゼシキアン大統領は27日夜、ホルモズガン州バンダレ・アッバースで開かれた危機管理会議で「シャヒードラジャイ港の管理状況は到底容認できない」と強く非難し、爆発原因の徹底調査を指示した。
同港には長年にわたり12万〜14万個のコンテナが保管されており、これが港の混乱を招いていると指摘。ペゼシキアン大統領は被害を受けた家族への全面的支援も指示した。

政府報道官モハジャラニ氏も27日に、28日を全国哀悼の日とすることを正式発表。
さらに、最高指導者ハメネイ師は、爆発事故の徹底調査を命じ、「過失や故意の行為に対しては決して寛容を示さない」と強調した。

イラン労働通信(ILNA)など複数メディアによると、複数のコンテナが爆発を起こし、これが今回の事故の引き金となった可能性がある。イラン緊急管理機構の広報官によれば、化学物質の不適切な保管が爆発原因とみられているものの、正式な原因はまだ特定されていない。

またモハジャラニ政府報道官は、「爆発したのは化学物質を含む可能性のあるコンテナだった」と説明。現地の危機管理担当者も、港に保管されていた複数のコンテナ爆発が大爆発につながったと明らかにしている。

一方、27日午前にはシャヒードラジャイ港の一部区域において、貨物の輸出入作業が再開された。イラン道路・都市開発相は「港の他のエリアでは荷役作業は正常に行われている」と述べた。

なお、近年、危険物の申告漏れや虚偽申告による船舶火災・爆発事故が相次いでおり、摘発された場合、関係者には巨額の罰金や重い刑事責任が科されるケースも増加している。

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