ライン川の水位低下が貨物輸送に深刻な影響 - 物流コスト増・航行制限続く
ドイツを南北に縦断する主要物流動脈・ライン川では、干ばつによる水位低下が続き、降雨にもかかわらず回復には至っておらず、貨物船の運航に深刻な支障が生じている。デュースブルク・ケルンを含む南部区間、特にカウプ地点では、船舶の積載能力が約半分に抑えられており、複数回に分けて運航せざるを得ない状況が継続している。
商業関係者によれば、微増した水位にもかかわらず、**通常の積載量の約50%**での運航が続いているとのこと。船会社は積載率の低下により、追加の航行回数や船の手配が必要となり、その結果、運賃へのサーチャージ徴収やエネルギーコストの増加が避けられないという。
ライン川は穀物、鉱物、石炭、石油製品(暖房用オイル含む)といった重要貨物輸送に不可欠な航路である。2022年夏、類似の干ばつによる低水位はドイツ企業に供給網のボトルネックや生産遅延を引き起こした前例がある。今回も同様のリスクに直面していることになる。
今後一週間は降雨が見込まれており、水位のさらなる低下は抑制される可能性があるが、まだ経済航行に支障のない水準に回復するには至っていない。貨主や物流業者は、依然として運行制限とコスト上昇に備える必要がある。