台湾、対米輸出品に原産地声明を義務化 5月7日からMIT製品対象

【台北=本紙特派員】台湾経済部は、2025年5月7日より、台湾製(MIT)製品を米国へ輸出する際に「対米輸出貨物原産地声明書」の添付を義務付けると発表した。米国が導入した対等関税政策によって生じる各国間の税率差を背景に、第三国製品が台湾を経由して米国へ迂回輸出されるリスクを抑制するのが狙い。

米国の新たな関税措置により、高関税対象国から低関税国へと製品が流入し、産地表示の改ざんや簡易加工を経て米国へ輸出される懸念が広がっている。台湾経済部は、こうした不正な「原産地ロンダリング」が台湾経由で行われた場合、国際的信用の毀損および米国との通商交渉に悪影響を及ぼす恐れがあるとして対策を講じた。

経済部は「MIT製品は真にMITであるべきだ」と強調し、声明書の提出は輸出制限を目的とするものではなく、不正防止と台湾の貿易秩序の維持を図るための措置であると説明した。

また、企業支援の一環として、経済部は4月24日、米国の法律専門家を招いて原産地規則や通関手続きに関する説明会を開催。3,000人以上の輸出業者が参加し、米国税関における判定事例などについての質疑応答が行われた。参加者からは「実務に直結する有益な内容だった」と高い評価を受けた。

経済部は今後も米国の通商政策動向を注視し、必要に応じて追加の説明会を開催するとしている。さらに、輸出企業に対し、米国の取引先との事前協議や、米国税関・国境警備局(CBP)のウェブサイト(https://www.cbp.gov/)を通じた原産地事前審査の申請を推奨している。

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