欧州港の混雑が深刻化 アジア・欧州航路の到着時程が再び遅延

11月に入り、欧州北部の主要港では混雑が目立ち始め、船社や荷主の到着スケジュールに影響が出ている。混雑の背景には、港湾関連労組による短時間のストライキと河川水位の低下があり、船舶が計画通りに接岸できない状況が続いている。現在、ロッテルダム港やアントワープ港では60隻以上の船が待機している。

混雑の状況と要因

港湾の報告によると、ロッテルダムとアントワープでは港内の人員調整が難しく、さらに内陸水路の水深低下により、荷下ろし後のコンテナ輸送が遅れている。この二つの条件が重なると、ヤードの滞留率が上がり、接岸待ちが拡大する。

こうした事態を受け、一部の船社は寄港順の変更を進めている。複数の船社がロッテルダム寄港を見送り、アントワープやル・アーヴルで先に荷物を降ろす判断を示した。航路の組み替えは遅延の連鎖を抑える効果がある一方で、最終仕向地までの転送時間が長くなる可能性がある。

北米の状況

北米の主要港は比較的安定しているが、カナダのモントリオールでは鉄道車両不足が続き、輸出コンテナの内陸輸送に時間がかかっている。港内の流動性が低下し、荷動きに遅れが出ている。

今後の影響

混雑が続くと接岸待ち時間が長くなり、船社の運航管理コストも増える。輸送サイクルが伸びれば、輸入側は在庫水準の調整が必要になり、輸出側も納期の再計算を求められる。

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