喜望峰経由の航行、悪天候の影響で遅延拡大
南アフリカの悪天候により、喜望峰を経由する航行が大幅に遅延しています。周辺海域では10メートルを超える高波が発生し、航行条件が非常に厳しくなっています。8日から11日にかけて、喜望峰を通過する船舶はほとんどありませんでした。また、フランスのCMA-CGMが運航する船舶「CMA CGM BENJAMIN FRANKLIN」号が南アフリカの海岸で悪天候に遭い、44個のコンテナが流出し、30個のコンテナが損傷しました。この船は中国からヨーロッパへ貨物を運んでいる最中でした。
事故の詳細と対応措置
CMA-CGMは7月11日に声明を発表し、この事故について報告しました。2024年7月9日火曜日、「CMA CGM BENJAMIN FRANKLIN」号はアジアからヨーロッパへ向かう航程中に南アフリカの海岸付近で予想外の悪天候に遭遇し、44個のコンテナが流出し、30個のコンテナが損傷しました。声明によると、乗組員に負傷者はおらず、汚染も発生せず、船舶は完全に航行可能です。適切な検査の結果、流出したコンテナには無害な貨物のみが積まれており、危険物は含まれていませんでした。CMA-CGMは直ちに関係当局に通知し、ケープタウンへ向かい、状況の全面的な評価を行い、航行の安全を確保するための必要な措置を講じます。CMA-CGMは、事件の影響を受けた顧客に連絡し、利用可能なすべての情報を共有し、今後の手続きで最善の支援を提供します。
影響と今後の予測
「CMA CGM BENJAMIN FRANKLIN」号は2015年に建造され、全長399メートル、幅54メートル、積載量17,859TEU、マルタ旗を掲げています。この船はオーシャン・アライアンスのCMA-CGMのFAL1航路にサービスを提供しており、6月14日に寧波、6月16日に上海、6月21日に塩田港に寄港し、中国の貨物を満載してヨーロッパへ向かっていました。
南アフリカのTransnetは7月9日、強風と高波のため、一部の港の運営を停止したと報告しました。ロンドン証券取引所グループの航運研究報告によると、月曜日以降、喜望峰を通過するコンテナ船は一隻もありませんでした。研究者は、今週後半にもう一つのサイクロンが南アフリカに影響を与える可能性があり、極端な海況が数日間続くと予測しています。
喜望峰周辺の影響
船社関係者によると、12日には航行を再開する船もあり、影響は長期化しないと見られています。しかし、昨年11月以降、イスラエルとガザの緊張状況により、多くの船舶がスエズ運河を避けて喜望峰を経由しており、この代替ルートの短期間の中断が遅延を拡大させる可能性があります。また、新加坡などのハブ港への寄港が増え、再び混雑が悪化する可能性もあります。
日本船社のケープサイズバルカー担当者は、悪天候を避けるため、8日から数日にわたり喜望峰経由の航路が停船を余儀なくされたと述べています。この地域は、ブラジルから極東へ鉄鉱石を運ぶルートや、西アフリカから中国へボーキサイトを運ぶ主要な輸送ルートであり、停船による市場の引き締め効果が期待されています。